『魚を与えるのではなく、サカナの釣り方を教えよう 起業家の父から愛する子へ33の教え』浦田健 著 実業之日本社を読みました。
FPコミュニケーションズ代表取締役で不動産投資家、日本不動産コミュニティー(J-REC)を立ち上げたり、『金持ち大家さん』などの著書でも有名な浦田健さんの最新刊です。
この本をコーヒーショップで開いて読み進め、そろそろ終盤に差し掛かった頃に、書評の記事を書こうかとボンヤリと考え始めていました。
「何だか成功法則をまとめたような本なんだよね。」そんな感想を持ちながら本を読み終え、「あとがき」をめくると、「なんだ、結局、成功法則の寄せ集め本じゃないか」と浦田健さんの言葉が一言目に書かれていて呆気にとられました。
本書の「はじめに」では、「あなたのためではなく、僕の子供たちのために書いた。」とあるのに、「あとがき」には「本当はあなたのために書きました。」とあり、またも驚かされます。
すべては計算尽くで、見事に一本取られました。結局は、浦田さんの手のひらで転がされていたに過ぎないようです。
冒頭にも書きましたが、本書は浦田さんがご自身の息子さんに向けてメッセージを送る形で書き進められています。タイトルにもある33の教えを、「お金と幸せの法則」、「ビジネス成功法則」、「コミュニケーション」、「運を掴み成功する」の4つのテーマに分けて構成しています。
本書では様々な成功法則が随所に散りばめられています。読みながら「これは知っている」、「こんな法則もあったな」、「んー確かに言えてる」など、知識を再確認して復習するのにもってこいの内容です。
ただし、普通にこれだけ借り物のハウツーを並べてしまうと、いやな感じもしてきそうですが、本書については全くそんな印象もなく、すーっと入ってきます。
それは、息子さんに語りかける調子で書かれていること、子どもに向けて平易な説明で書かれているのが理由だと思います。すべてではありませんが、所々にルビも振られているほどです。すべては、浦田健さんの筆力によるところなのでしょう。
浦田健さんの起業当初のエピソードも多数紹介されていて興味深く読みました。実は私も、起業して数年の浦田健さんのセミナーに参加したことがありました。顔を紅潮させて、全力で説明をされる姿に圧倒された記憶があります。当時は、本も買いましたし、会員にもなりました。教材も購入しましたね。
結局、私自身は不動産投資に縁がありませんでしたが、浦田健さんはスーパー不動産投資家となり、海外投資にビジネスを広げ、果ては海外に移住されてしまいました。そんな、浦田健さんの成功物語を見てきましたので、本書の内容は一つ一つが腑に落ちるエピソードでした。
中でも印象的だったものをあげると、「それは、これまでの社会がタダで夢を与えてくれていたからじゃないかと僕は思っている。」という一文です。
今は、「夢が持てない」、「目標が見つからない」という大人が多いという話を受けての、浦田健さんが自身の考えを述べたのが先の文章です。
従来の社会の仕組みや価値観が変わり、正解とされていた人生設計が必ずしも正解ではなくなっている。だからこそ、夢を持って自分自身の人生を生きることが大切だと述べています。
「社会がタダで夢を与えてくれていた」という言葉がとても印象的で、対極にある自分自身の夢の大切さを再認識させられました。
全般を通して、子どもだけでなく大人が読んでも、とても参考になる本です。成功本にありがちな押し付け感や嫌味も感じることなく、浦田健さんの言葉が心地よく頭に入ってきます。
浦田健さんの人柄や、お子さんや家族に対する深い愛情もビンビンと伝わってくる素敵な本です。
忙しい毎日で、頭が混乱したまま、何から始めていいのかわからない、自分の夢や目標をもう一度整理したいという方にオススメです。
成功法則が満載ですので、時々読み返して、自分の取り組みを見直すのにもいいと思いました。不動産に関するノウハウはほとんどありませんのでご注意ください。
本書の最後には、浦田健さんの過去にまつわる、衝撃的な事実も明かされています。
私はコーヒーショップでウルウルしながら本を読み終える直前に、ウェイトレスさんに「お安くコーヒーをお代わりできますが」と声をかけられて台無しになりました、、、
2018年2月12日追記
浦田健さんのfacebookで記事を紹介していただきました。ありがとうございます。
コメント