Windows10からWindows11にアップグレードしました。サポート切れも間近にせまる中、実際に行った手順をご紹介します。
アップグレードするまで
2025年10月14日でサポートを終了するWindows10。我が家にも1台ありました。さっさとWindows11にアップグレードすればよかったのですが、簡単ではない問題が2つあったので、ずっと先延ばしにしてきました。
1つ目は、家族が共用していること。2人のアカウントで使っていたのですが、1人は別のPCを使用するようになりました。ハードディスクの空き容量もわずかになっていたので、不要になったアカウントを削除して、大きくなったデータを移動しなければならないという気の重い作業がありました。
2つ目は、Microsoft Wordの問題。サポートの切れたWord 2013を未だに使っていたのですが、Windows11にするとWord 2013は使えなくなるという話がありました。新しいWordにするには、またコストがかかるのでどうしようかと躊躇していました。結局アップグレードしてみたら、使えるようで余計な心配でした。
いずれにせよ、Windows10のサポート期限も1か月後にせまってきましたので、今回はやらざるを得ないと覚悟してアップグレードを始めました。
アップグレードするパソコン
アップグレードするパソコンは以下です。あらためて確認してみると8年前のモデルで、メモリも4GBしかありません。厳しいスペックですが、買い替えるほどの使用状況でもないのでアップグレードを進めることにしました。
- モデル: NEC Lavie NS630/J
- 発売日: 2017年10月19日 発売
- OS: Windows 10 Home
- メモリ: 4GB
- ストレージ: 256GB
今回のアップグレード方法
アップグレードにはいくつか方法があります。数年前からWindows Updateで、「Windows11に更新」というのが出ていました。ずっと放置していましたが、今回はWindows Updateからアップグレードを行います。

本来は、WindowsのOSだけをインストールするという「クリーンインストール」をして、シンプルに一から始めたいたいところです。しかし、家族が使っていることもあり、現在と同じ環境を再現していくのも面倒です。
せめて、購入時の状態に初期化してからアップグレードしたかったのですが、中古で購入したパソコンのため「再インストールメディア」の作成ができず、やむなく現状のままWindows11にアップグレードすることにしました。
WIndows Update以外の方法としては、WIndows11のインストールメディアを用意してアップグレードインストールをすることもできるかもしれません。下のほうに、インストールメディアの作成方法もご紹介しています。
アップグレードの前にやっておいたほうが良いこと
すぐにインストールを始めても良いのですが、ちょっと待ってください。アップグレードする前にやっておいたほうが良いことがいくつかあります。
- PC正常性チェック
- バックアップ
- Microsoftアカウントの確認
以上の3点を解説します。
PC正常性チェック
分かりづらい名前ですが、お使いのパソコンにWindows11をインストールできるかチェックするためのツールです。インストールが途中で中止されてしまったり、インストールしても動かないといったことが起きないように、念のため確認しておきましょう。以下の手順で進めることができます。
1. 「WIndows11の仕様とシステム要件」(https://www.microsoft.com/ja-jp/windows/windows-11-specifications)を開きます。
2.「PC正常性チェック」をクリックします。

3.「 PC正常性チェックツール」が「WindowsPCHealthCheckSetup.msi」というファイル名でダウンロードされます。
4.ダウンロードした 「WindowsPCHealthCheckSetup.msi」 のファイルをダブルクリックしてインストールします。

5.インストールされると「PC正常性チェック」の画面が開きます。「今すぐチェック」をクリックします。

6.要件を満たしていると「このPCはWindows11の要件を満たしています」と表示されます。「すべての結果を表示」をクリックして詳細を表示できます。

7.要件に関する詳細な情報を表示できます。

バックアップ
やっておいたほうが良いことの2つ目はパソコンのバックアップです。現状のままアップグレードするので、基本的にデータは今のまま残るはずですが、万が一に備えて外部にバックアップしておきましょう。自分は大丈夫と思うときに限って、予期せぬ事態が起こるものです。
バックアップは、バックアップツールを使ったり、クラウドにバックアップをとる方法などがあります。ただし複雑な操作が必要だったり、面倒だったりするので、今回はもっと簡単な方法で行いましょう。
USBメモリなど、記憶媒体を用意します。今回使用したのは32GBの容量のUSBメモリ2本です。たまたま家にあったものを使いました。もっとデータの容量が多い方もあると思いますので、容量に見合ったUSB接続できるUSBメモリ、SSD、ハードディスクなどの外部記憶装置をご用意ください。家電量販店などで購入できます。
用意したUSBメモリなどの中に、パソコンのフォルダと対応する「デスクトップ」、「ダウンロード」、「ドキュメント」、「ピクチャ」、「ミュージック」といったフォルダを作成します。下の画像の左側がパソコンのフォルダ、右側がUSBメモリの中身です。

パソコンからそれぞれのフォルダにデータをコピーします。私の場合は、ピクチャの容量が30GB近くありましたので、もう1本必要になりましたが、他のデータは32GBの容量で収まりました。

アップグレード後もパソコンにデータは残りますので、万が一の時のバックアップとして、保管しておくのがお勧めです。バックアップの前に、不要なデータは削除するなどデータを整理しておくのも良いかもしれません。
ちなみに私は、数か月に1度上記の方法で外部のディスクにデータをバックアップしています。ほとんどの場合、パソコン内のフォルダは空にしてしまい、そのまま新たに使い始めます。データが必要な場合はバックアップからコピーしますが、必要になるケースはほとんどありません。いかに無駄にため込んでいるかということだど思います。
ご自宅などでネットワーク上のドライブなどを使っている方もいるかもしれません。特にノートパソコンをお使いの場合はWi-Fiでネットワークに接続しているケースが多いと思います。バックアップでファイルをコピーする場合には、Wi-Fiよりも有線でネットワークに接続することをお勧めします。
少量のデータであれば大差ありませんが、大きな容量をコピーするにはLANケーブルでネットワークに接続することで何倍も速くデータをコピーできます。ぜひお試しください。
Microsoftアカウントを確認
やっておいたほうが良いことの3つ目は、Microsoftアカウントのログイン情報の確認です。Windowsのインストールでは、Microsoftアカウントが必要になるケースがあります。
Microsoftアカウントにログインした状態てアップグレードすると、アカウントはそのまま引き継がれ、再度ログインすることは無いかもしれません。予防的な対応ですが、インストール作業中にあわてることのないように、Microsoftアカウントのログイン情報を確認しておきましょう。
「Microsoft account」(https://account.microsoft.com/account/Account?mkt=ja-JP)のページにログインして確認できます。ログインしている状態でしたら、一度ログアウトして再度ログインをし確認してみてください。万が一パスワードが分からなくなっても、アップグレード作業前であれば、PINなど他の方法でログインしてパスワードを変更することも可能です。実は私もパスワードが分からず、PINでログインして事なきを得ました。

Windows11へのアップグレード
では、ここからいよいよWindows11へのアップグレードを開始します。上述したように、Windows Updateからインストールを始めます。
ここまでに、インストールの課題としてあげた、使っていないユーザーの削除と、データの移動は終えて、1人だけのユーザーアカウントにしてあります。
では、手順を追って見ていきましょう。まず、Windows Updateを開くところから解説します。
1.「Windows」ボタンをクリックし、「設定」をクリックします。

2.「設定」が開きます。「更新とセキュリティ」をクリックします。

3.「Windows Update」が開きます。「ダウンロードしてインストール」をクリックします。
ここでよく見ると中ほどに、Windows11 Version 22H2(2022年の更新)のインストールの準備ができていました。今回の更新は、Windows11 Version 23H2です。Windows11のダウンロードページからはWindows11 Version 24H2がダウンロードできるようになっていますので、1つ前のバージョンということになります。たとえ23H2であっても、そのうちWIndows Updateで24H2にアップグレードされるはずですので、今回は気にせず進めましょう。

4.「状態:ダウンロード中」の表示に変わり、ダウンロードが始まりました。
ダウンロードはパソコンのスペックやネットワークの状態もありますが、2時間近くの時間がかかりました。

5.「状態:ダウンロード中 99%」の表示になりました。

6.インストールが終わり「状態:インストール中」の表示に変わりました。
インストールも1時間近くの時間がかかりました。Windows10のファイルを置き換えていくので、時間がかかるのかもしれません。

7.インストールが終了しました。しばらく待ちましたが何も起こりません??

8.Windows Updateをもう一度開きなおすと「この更新プログラムをインストールできませんでした。もう一度お試しください。」だそうです。

9.仕方ないのでやり直しです。ダウンロードは完了しているはずなので、さっと行くかと思いましたがそういうことではないようです。もう一度ダウンロードが開始されました。
10.インストールへ進み、ドキドキしながら100%になりました。今回はどうなるでしょうか。

10.「再起動が必要です」と表示されました。どうやら成功したようです。「今すぐ再起動する」をクリックして再起動します。

11.再起動してブルーの画面に変わりました。「再起動しています」

11.「更新が進行中です。0%完了しました。」

12.「更新が進行中です。100%完了しました。」

13.「更新プログラムを構成しています 2%」

14.「更新プログラムを構成しています 100%」

15.「Windowsの準備をしています」

16.ログインしています。

17.Windows11のデスクトップが表示されました。

2回目のトライで無事にWindows11にアップグレードできました。フォルダ内のデータも残っていますし、ブラウザーで使うWEBメールなどもログイン情報が保存されたままの状態でした。画面下のタスクバーやスタートメニューが変わった以外には特に変化はありません。
ところでWordはどうだろう
冒頭に書いたとおり、Windows11へのアップグレードを先延ばしにしていた大きな要因に、「Windows11ではWord2013が使えない」という心配がありました。Windows11が登場した当初、ネット記事か何かでそのように書かれていた記憶があるのですが、実際はどうなのでしょうか。
Microsoft Word 2013を起動してみます。

特に何の問題もなく、起動してしまいました。新規作成で文書を作り、保存してみましたが大丈夫なようです。サポート切れでもありますし、何か不具合が起こるのかもしれませんが、とりあえず様子見ということにして、Word最新版の購入のコストは回避することにしました。
Windows11をダウンロードする
Windows11へのアップグレード方法として、Windows11のインストールメディアを作成してアップグレードする方法があります。ただし、注意しなくてはいけないのがアップグレードの際の認証の扱いです。だいぶ以前の話ですが、Windowsのインストールには、プロダクトキーが必要でした。現在は、インストールされたハードディスク、SSDなどのデバイスと紐づけられて管理されるようです。
例えば、Windows11の入っているパソコンで、すべてクリアしてもう一度Windows11をクリーンインストールするような場合には、同じハードディスクやSSDのままであればプロダクトキーは無くてもインストールができます。これがWindows10からWIndows11へのアップグレードの際にも適用されるのか否かは確認できていません。
以下にインストールメディアの作成方法をご紹介しますが、アップグレードで使用する際には十分に確認して、ご自身の責任においてご使用いただくようにお願いします。当方では一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
具体的には、アップグレードしたWindows11の認証に問題がある場合には、新たに有償でライセンスを購入する必要が生じる可能性があります。
Windows11をダウンロードしてインストールメディアを作成
「Windows11のダウンロード」ページでWindows11をダウンロードして、インストール用のメディアを作成できます。USBメモリやDVDなどでWindowsのインストールを行うことができます。
1.「Windows11のダウンロード」(https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows11)を開きます。

2.ページの中ほどにある「Windows11のインストールメディアを作成する」にある「今すぐダウンロード」をクリックします。

3.「Windows11メディア作成ツール」が「mediacreationtool.exe」というファイル名でダウンロードされます。

4.ダウンロードした「mediacreationtool.exe」をダブルクリックして「Windows11 メディア作成ツール」のセットアップを開始します。
5.「適用される通知とライセンス条項」を確認します。「同意する」をクリックします。

6.「言語とエディションの選択」を確認します。「次へ」をクリックします。

7.「使用するメディアを選んでください」で「USBフラッシュドライブ」を選択します。 「次へ」をクリックします。 (DVDからインストールする場合にはISOファイルを選びます。)
8GB以上のUSBメモリを準備します。

8.「USBフラッシュドライブを選んでください」で該当するドライブを選択します。「次へ」をクリックします。

9.「Windows11をダウンロードしています」が表示されます。

10.進行状況が99%になりました。間もなく終了します。

11.「Windows11のメディアを作成しています」進行状況: 10%です。

12.「Windows11のメディアを作成しています」進行状況: 99%です。

13.「USBフラッシュドライブの準備ができました」
これを使用してWindows11のインストールを行うことができます。

Windows10 拡張セキュリティ更新プログラム (ESU)
MicrosoftではWindows10でVersion 22Hを使用している個人ユーザーを対象に、拡張セキュリティ更新プログラム(EUC )を発表しています。これは、サポートが終了する2025年10月14日以降も、登録されているPCのセキュリティ更新プログラムを受け取ることができるオプションで、2026 年 10 月 13 日まで提供されます。
ただし、プログラムは有償でデバイスあたりの価格は30ドルです。Microsoft Rewards 1,000 ポイントで引き換えることができます。対象者は直接Microsoft Storeで購入できます。
https://www.microsoft.com/ja-JP/windows/end-of-support
まとめ
アップグレードの概要から、アップグレードの前にやっておいたほうが良いこと、Windows Updateからアップグレードする方法、Windows11のインストールメディアの作成方法などをご紹介してきましたがいかがだったでしょうか。
Windows11へのアップグレードはずいぶん前に終わっている方が大半で、Windows10を使用している方は少数派かもしれません。アップグレードの情報も出尽くしているかと思いつつ、サポートの終了間近のこの時期にこそ、お困りの方もいるのではないかとの思いで記事を書きました。どなたかのお役に立ちましたら幸いです。
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